AI・ロボットを活用した自律型材料


研究システムでSDGs達成に貢献

カーボンニュートラルの実現に不可欠な新材料の研究開発を飛躍的に効率化するため、AIおよびロボットを活用した自律型材料研究開発システムを開発している。粉体ハンドリングをロボットで行うなど、独自の技術により、従来は熟練者が行っていた高度な作業や専門家の意思決定も含めて、人間が介在することなく材料合成、試料準備から材料評価・解析までの一連の材料研究プロセスを自律的に完結させることを可能とした。

所属
大阪大学 大学院工学研究科 物理学系専攻
応用物理学コース 小野研究室
代表者
小野 寛太
小野 寛太

大阪大学 大学院工学研究科 物理学系専攻 教授
小野 寛太 Kanta Ono

東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。東京大学大学院工学系研究科助手、高エネルギー加速器研究機構助教授、准教授を経て大阪大学大学院工学研究科物理学系専攻教授。

SOCIAL社会実装

材料研究開発の現場で、
計測評価・解析を大幅に効率化

本システムでは、材料研究開発に携わる企業において多大な負担となっている計測評価・解析の作業を、ロボットおよびAIを活用することにより、専門家と同等以上の品質で提供することが可能となる。材料研究開発に携わる企業において、材料開発における圧倒的な生産性向上に貢献するとともに、不足する熟練技術者の業務負担も軽減することをめざす。

ORIGINALITY研究の独自性

熟練者に頼るしかなかった作業を
AIとロボット技術を統合して自動化

材料分析の自律化は、熟練が要求される手作業での試料準備、最適な計測実験の実行、計測データのデータ解析および結果の解釈という一連のプロセスを、全て自動化して初めて可能となる。これまで計測の実行については自動化されていたが、試料準備や結果の解釈などについては熟練者の技術や知見に頼って自動化が進んでいない。私たちの2つの独自の技術、①ロボットによる粉体ハンドリング技術と②AIによる計測最適化およびデータ解析および解釈を行う技術の統合により初めて可能となった。

VISION将来の展望

次世代電池、セラミックス、
触媒などの分野で研究開発を促進

本システムを社会実装することにより、材料研究開発に携わる企業の業務が飛躍的に効率化される他、従来よりも高度かつ再現性の高い材料解析が可能となるため、材料研究者はよりクリエイティブな研究活動に専念することが可能となる。次世代電池研究開発やセラミックス、触媒などの分野での活用が期待でき、より多くの研究開発の現場の効率化、生産性向上を図ることにより、カーボンニュートラルやSDGsといった世界規模の課題解決に貢献することをめざす。


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