IoT端末向けの


ユビキタス電源技術

交流電流が流れる電線に取り付けるだけで、mWクラスの発電が可能なエネルギーハーベスティング(環境発電)技術を開発した。電線の近くには、電流と同じ周期で変動する磁界が形成されており、そこに置いた永久磁石は、力を受けて電線と交差する方向に振動する。その運動エネルギーを圧電効果で電力に変換する。発電素子を電線に近づけるだけで簡便に1mW程度の電力を得られることが最大の特徴である。

所属
大阪公立大学 大学院工学研究科
代表者
吉村 武
吉村 武

大阪公立大学 大学院工学研究科
電子物理系専攻 准教授
吉村 武 Takeshi Yoshimura

1999年10月大阪府立大学大学院工学研究科博士後期課程修了。米国ペンシルベニア州立大学、大阪府立大学、日本学術振興会の博士研究員を経て、2005年より大阪府立大学大学院助教、2010年4月より同准教授。

SOCIAL社会実装

大規模事業所やインフラの
点検システムに最適な電源技術

モノの高齢化や自然災害の激甚化などが進む今日、インフラや事業所設備など、機器の状態のモニタリングを必要としている場所がたくさんある。本技術は送配電網から家庭までの電線さえあれば屋外や液体中など場所を選ぶことなく動作可能であり、大規模事業所やインフラなどを対象としたIoTベースの点検・モニタリングシステムで必要となるユビキタス電源としての高い適性を有している。

ORIGINALITY研究の独自性

小型素子で1mWの電力を取得、
平行線や3相線からも発電できる

電線から非接触で電力を取り出す素子としては、電流センサを応用した製品がいくつか開発されているが、私たちが提供する技術は、平行線や3相線など複数線からの発電が可能であることや、壁に取り付けた電線にも対応できることにおいて独自性を有し、他にも万一の故障時でも発火の恐れがないこと、10g程度の小型の素子で5-10Vの出力電圧を容易に得ることができるなどの優位性がある。

VISION将来の展望

生産設備での遠隔監視用の他、
気象観測など多彩な用途に

用途としては、IoT端末用の電源がまず期待される。工場の生産設備等の遠隔監視などでの利用を想定しているが、他にも送配電網を利用した気象観測、Bluetooth端末の電源などの用途も考えられる。さらにはクランプメータでは測定することができない平行線や3相線の電流検出も可能なため、発電機能と合わせて無線電力センサのような利用方法も期待している。


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